再婚そしてハワイ移住。死別後の苦しみからの一歩

死別の苦しみから抜け出したい方や新たな人生を考えている方に、こんな人もいるんだ、と何か感じてもらえたら嬉しいなと思い、私の経験や日々感じたことをブログに残していこうと思います

夫が選んだ日本製の包丁に刻まれていた文字

こんにちは。ハワイ在住のMichiyoです。

 

 

夫はハワイ生まれ、ハワイ育ちの日系アメリカ人です。日系ではありますが、両親もハワイ生まれなので日本語は全く話せないし読むこともできません。でも夫は日本人の血が流れていることに誇りをもっていて、日本製のものをとても信頼しています。

 

最近買った日本製の包丁もその一つです。でもそれが、私の感情を大きく揺さぶることになりました。

 

夫が包丁を買いたいと言い出したのは家で使っている包丁を買い替えるためのもので、夫は料理をほとんどしないので、包丁は私のために買おうとしていました。

 

 私はあまり包丁にこだわったりするタイプではないのですが、夫はナイフなどに詳しく、実際に買うまでの間、何か月も前からいろんなお店でナイフ売り場を見てはどれにしようか選んで楽しんでいるようでした。

 

 

日本製とドイツ製のそれぞれ何種類かの包丁が候補にのこっていましたが、中でも夫が一番気に入っていたのが、日本製のある包丁でした。

 

 

見た目は確かに夫が一番気に入っているものが一番素敵でした。

 

 

でも私は、「こっちにしたら?」とほかの包丁を勧めました。私がそう言ったのは、夫が一番気に入っていた包丁に、くっきりと一文字だけ刻まれていた漢字が原因でした。

 

 

それは、亡くなった前の夫のお墓に一文字だけ入れてもらったのと同じ文字だったのです。

 

 

お墓に入れてもらった文字は、前の夫の名前の中の、前の夫が一番気に入っていた漢字一文字でした。

 

 

 

私にとって、たった一文字のその漢字が、フルネームにも匹敵するぐらい・・・それ以上に、前の夫そのものだったのです。

 

 

もしもその包丁が家にあったら、私はそれを見るたびに、前の夫のことを思い出してしまうと思いました。

 

 

でも私は今の夫にそれを言うことができませんでした。

 

 

何も知らない夫は結局、前の夫のお墓と全く同じ一文字が刻まれた包丁を買いました。

 

 

家に帰って、夫は嬉しそうに包丁を箱から出しました。

 

 

私はやはり思った通り、包丁に刻まれた文字を見た途端に亡くなった前の夫を思い出しました。そして、涙が流れてきて、止まらなくなってしまいました。

 

 

夫は漢字は読めません。夫にとってその文字は記号か何かと同じで、まったく意味をなさないのです。

 

 

夫は驚き、私に泣いている理由を聞きました。

 

 

「この文字は、亡くなった夫の名前なんだよ」

 

 

その時ようやく本当のことを話しました。

 

 

「なんでもっと早く言わなかったんだ」

夫がそう言うのは当然でした。

 

 

「この包丁をすごく気に入ってるのが分かったし、今でも前の夫のことを思っていると思われるのが怖くて言えなかった」私がそう言うと、

「悲しませるために買ったんじゃない」と、夫はすぐに包丁を箱に戻しました。

 

 

私たちはそのまま二人で返品に行き、ほかの包丁を買いました。

 

 

普段の生活で前の夫を思い出して泣くことはなくなりましたが、今でもふとしたきっかけで激しい感情が襲ってくることがあります。

 

  

 

 

 

 

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